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トリノ滞在記 4月5日木曜 二日目

昨日の劇の影響で、xxxメンテ、xxxツィオーネ、xxxジオ、などのイタリア語の語尾が頭の中で鳴り響く中、朝8時起床。シャワーして身支度を整えて朝ご飯だ。クリスティーナの宿では朝食は近所のカフェでとることになっている。昔教会のチャペル部分だったところをカフェとして利用している場所なので、中に入ると中心には十字架ではなくてカウンターが、その両側は円を描いてベンチが並ぶ。丸天井には天井画が残る。顔なじみの客がこれまた次々とやってきてはおしゃべりしながらコーヒーにブリオッシュやクロワッサンをほおばる。もちろん立ったまま。座って新聞を広げている人もいる。私達もカプチーノにクロワッサンの朝食をとる。Neo-head bar, via Bonelli 16/c

10時にカルロ・モリーノというトリノの建築家がインテリアをデザインした家へ到着。ここはオフィシャルには非公開なのだが、相棒の問い合わせに、何とガイドをしてくれることになっていた。ポー川沿いの古い別荘風建物の2階がお目当てのお部屋。ドイツでは建築家というよりもデザイナーとして知られているモリーノが最後に携わった仕事がこの家で、彼の美学の集大成、といった趣向。素材やディーテイルにこだわった凝ったつくりで、モリーノの研究家でこの家の管理もしているナポレオーネさんは親切にいろいろ説明してくれる。随所に見られる蝶やカーテンの意味、アールデコの影響、素材について、空間の演出について詳しく話をしてくれ、更に彼の生い立ちや生き方についてまで。相棒と違い予備知識ゼロの私もたっぷり楽しめた。2時間もお邪魔してしまったが、気持ちよくガイドしてくれ(しかも無料だ)感謝。
特に、この、本人は一度も住まなかったという家がモリーノにとっては遺言のようなもの、彼の思想や世界観をインテリアで表現したもの、というナポレオーネさんの解釈は面白かった。実際に使用目的のない、瞑想所とでも言うべき装飾的な部屋があったりして興味深い。ここは古代エジプトに魅せられていた彼が死後の世界を彼なりに表現したものらしい。建築家、デザイナーとしてだけでなく、レースカーをデザインしたり、自分でもレースに出たり飛行機を操縦したり。左右両手で同時に図面が書けたそうです(!)。ちなみに研究者のナポレオーネさんはもともとは哲学者(でも40歳前くらい)で、ギャラリストのお父様の研究を引き継いでここを事務所として仕事しているそうな。素敵な環境で仕事ができてうらやましい。ゲストブックに署名して館を後にする。

ポー川沿いを歩いてから向こう岸へ渡る。お昼はパスタ。イタリアでパスタというとスパゲッティ、と思うのはどうも南のことらしい。ここはピエモンテ地方で、パスタはペンネやニョッキやらが多い。ミラノとはまた別でリゾットも少ない。水、デザート、エスプレッソまで頼んでここでも二人で20ユーロ。安いぞ。お店に来ていた人も皆常連さんみたいで、店の人は名前を呼んで挨拶、おしゃべりしていた。トリノは170万の人口を数えるミラノに次ぐ都会なのに、匿名性がなくてこういう常連さん的人間関係がいたるところで見られて面白い。食事の後はサンタ・マリア・デル・モンテという教会を見学。高いところにあるので町(の一部)を一望できる。更に散歩しながらまた川を元の岸に渡り、今度はモーレ・アントネッリアーナの塔へ。この塔はもともとユダヤ教の礼拝堂として1862年に建てられ、高さが約167mで、トリノが1861年から1865年までイタリアの首都だったこともあり、長いことヨーロッパ一の高さを誇った建造物だった。レンガ造りでは今でも世界一高い建物だそうな。

歩き疲れて一休みはやっぱりカフェで。創業1763年のAl Bicerinへ。ここはビチェリン(コーヒーベースの、ホットチョコレート、生クリームを加えた飲み物)の生みの親で、どんな格式高いカフェやら、と覚悟していったが、なんとも小さな家庭的な店でした。居心地の良い広場のテラスでお初のビチェリンを楽しむ。甘さ加減が非常に良かった。ただ、普通のカフェ(エスプレッソのこと)が80セントなのに、この飲み物は何と5ユーロもしてびっくりしたが、まあブランド代と、あと生チョコ代なのだろうと無理やり納得。たまに贅沢しにくるのにいいかも。

一度宿へ戻って汗を流し、さっぱりしてから夕食へ。ガイドブックにも出ていて、宿のクリスティーナもお勧めだという近所のレストランTre Galline(3羽の鶏という意味)へ。ピエモンテ料理を楽しもうと入ったものの、まずBGMとして流れる音楽の音量が大きいのが気になる。店員も不親切で、今まではどの店でもメニューの上から下まで説明してくれたのに、ここは全くその気はなし。トリノで300年の伝統ある店にしてはカジュアル過ぎというか、店員も違う人が入れ替わり立ち代りやってきて、その割には愛想も笑顔も説明もなく、サービスがなってなくて不愉快な感じだ。そういうわけでちっとく楽しくなく、前菜を食べてからとっとと帰ろうという気になったが、ワインを一本頼んでしまったのでこれを飲み終えるまでは帰れない。私は花粉症で鼻がずるずるだったのでワインは控えたかったので、相棒は一人でほとんど一瓶あけるはめに。パンとグリッシーニの籠を3つくらい平らげ、店員が片付けようとするたびに、いや、まだ食べてますから、とこっちも負けずにあつかましい態度をとる。やっとワインが空になり、お勘定(イル・コント!)を頼み、チップは置くのやめようね、と相談しながら、まもなく運ばれてきた請求書をチェック。ん?何か変じゃないか?何と!ワイン代が請求書に入っていないことが発覚!そそくさと代金を置いて店を出る。ワインが一番高かったのよねー。ざまあみろ、という爽快な気分であった。

by jukawara | 2007-04-16 04:56 | ナマケモノの旅日記 | Comments(0)

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